khirinについて

khirinについて

khirinは、大学共同利用機関法人 人間文化研究機構国立歴史民俗博物館が館内外に所在する歴史資料の情報を広く公開することを目的として整備を進めてきた歴史情報基盤システムです。これまで同館において蓄積されてきたデジタル・ヒューマニティーズ研究の成果を踏まえ、歴史資料を支える基盤として開発・構築・公開が進められてきました。また、自治体や大学等との協定や覚書に基づき、館外の資料情報についても積極的に公開しています。

現行のkhirinは、科学研究費・学術変革領域研究A「歴史情報学の創成」の一環として構築されたものであり、従来の資料公開基盤にとどまらず、AI等を活用した広義の歴史研究にも資することを意識した設計となっています。

新しいkhirinの特徴の一つは、これまで分散していたLinked Data、IIIF、TEI、各種データセットといった要素を統合し、統一的な基盤として再構築している点にあります。目録情報については、リンク機能を作るとともに、IIIFによる表示を可能とし、そのリンク先でTEIデータなどの詳細情報を閲覧できる構造としています。また、トップページから各種データセットや実験的なサイトへアクセス可能としています。URLも従来の複数ドメインから「khirin@rekihaku.ac.jp」に統一することで、利用環境の整理と一貫性の確保を図っています。さらに、高度な検索機能については別系統の入口として設計されており、多様な利用ニーズに対応しています。

データ設計においては、基盤としての安定性と持続性を重視しています。各資料には一つの固定URLが付与され、HTMLは静的コンテンツとして設計することで長期的な参照可能性を担保しています。また、資料群単位でも個別にURLを付与し、来歴情報を含む詳細な記述が可能となっています。各資料には(それぞれあるものは)IIIFによる画像リンクが付与され、さらに可能な場合には位置情報に基づく地図情報も提供されます。従来のkhirinで特徴的であったLinked Data的な連携機能も維持しつつ、より実用的な構成へと調整されています。

加えて、データの正規化と横断的利用を支えるための辞書機能を備えている点も特徴です。同一の年代や人名といった共通要素を持つ情報同士を相互にリンクさせることができ、辞書からデータベース全体を横断的に検索することも可能です。これにより、個別資料の閲覧にとどまらず、知識構造としての歴史情報へのアクセスが実現されています。また、元データの管理にはGoogleスプレッドシートを利用し、データベースと連携させることで、更新や修正を容易に行える柔軟な運用体制を構築しています。

このようにkhirinは、単なる資料公開システムではなく、歴史資料をめぐる情報を統合的に管理・公開し、さらに分析や再利用を可能にする基盤として設計されています。研究者のみならず、多様な利用者が歴史情報にアクセスし、新たな知見を創出するための基盤として、多くの人にご利用いただけるよう、開発を進めてまいります。